「おはようございまーす！！」
スタジオの扉が開いて、元気な笑顔が飛び込んできます。バレエが大好きな仲間たちが集まるスタジオが、みんなにとっても、私にとっても、大切な場所です。
いつもより少し声が小さいかな？笑顔が曇っていないかな？
ちょっとした変化も気になるところです。
「今日、学校で転んじゃったー。」「痛いところは、気を付けてやってみようね！」
「ちょっと風邪っぽいみたい・・・」「今日は、しんどくなったら見学しながら、目で見てお勉強しよう！」
一人ひとりと向き合い、性格、個性を大切に、レッスンがスタートします。
けがをしても、少し体調が悪くても、それでも休まずスタジオに通って来れた。
そのことが嬉しいのです。
私も、子供の頃から、バレエ教室の空間が、貴重な場所でした。
いつも行けば、先生がいて仲間がいる。
先生の動き・言葉に集中し、仲間と心を通わせ、レッスンに励む空間。
鏡の中の自分と向き合う時間。。。
出来ない自分が悔しくて涙したことも、集中力が切れて先生に叱られたことも、数え切れないほどあります。
楽しいこと悔しいことを経験するたびに、ますます大切な居場所になっていったものです。
バレエは、毎回のレッスンの積み重ねによって、長い時間をかけて、磨きあげてゆくもの。
言われた通りにするだけでは身に付かず、感じること、努力すること、表現すること、を育んでゆきます。
そして、バレエを通して仲間への思いやり、協調性、一緒にひとつのものを創り上げる達成感を感じていってほしいと思っています。目標は、子供たちそれぞれにあります。
大きな夢を持って、これから何にだってなれる子供たちとともに、一瞬一瞬を大切に過ごしていきたいと思っています。
渡辺 文
